i7-8700Kを省電力CPUとして使う

あらまし

  • 最新世代の構成でPCを組んだら省電力なCPUがなかった。
  • BIOSに電力を設定する項目があったので、負荷をかけながら電力を測定してみた。
  • 結果、不安定にならずに設定した電力なりにクロックが上がらないように制御されて、実際に消費電力も下がった。

久しぶりにPCを組んだ

年明けにPCを更新した。 作るときはなるべく最新のテクノロジーでという方針なので、Coffe Lakeで組んだ。 CPUはTDP65Wのi5-8400が欲しかったんだが、秋葉原では品薄でどこにも売ってない。予約したり供給されるのを待ったりはしたくなかったので、i7-8700Kを買ってみた。


メモリはDDR4-2400の16GBx2がソフマップで税別36000円くらいのCPU同時購入で2000円引きだったのでこれにした。


マザーは一番安いASRockのZ370M Pro4が売り切れていたので次点でGigabyteのZ370M D3Hにした。


このPCでゲームする予定はないのでGPUは今のところ刺さない想定。 画面2枚つけてニコ動見ながら作業したりするので、そのあたりで内蔵GPUが厳しそうだったらローエンドがミドルレンジのGPUを刺すかも?


どうにか省電力にならないものか

これでそのまま組んでみたところ、負荷をかけると133Wと電球にしたら直視できないレベルの消費電力になった。

BIOSでクロック落としたりとかすると省電力になるかなぁ。 でも変にいじると不安定になったり特定条件でしか効いてなかったりとかしそうで嫌だなぁ。 とか考えながらBIOSの設定を見ていたら、ダイレクトに消費電力を設定する項目があった。

この設定を変えることで思い通りに動作するのか。 不安定になったりしないのか。 確かめるために設定を変えながら負荷をかけたりしながら消費電力を測ってみた。

測定にはこれを使った。

ラトックシステム Bluetoothワットチェッカー REX-BTWATTCH1


BIOS設定

  • マザーボード
    • Gigabyte Z370M D3H
  • BIOSバージョン

    • F3
  • 消費電力の設定箇所

    • 「高度な周波数設定」→「高度なCPUコア設定」の以下の項目
    • パワーリミット1 (Watt)
    • パワーリミット2 (Watt)
    • PLATFORM Limit (Watt)
    • PLATFORM Limit2 (Watt)
    • パワーリミット3 (Watt)
    • DRAM Limit (Watt)
    • DRAM Limit2 (Watt)
    DSC_0078 1.JPG

    ターボブーストの設定

    • 「高度な周波数設定」→「高度なCPUコア設定」の以下の項目
    • インテル(R)ターボ・ブースト・テクノロジー
    DSC_0080 1.JPG

    負荷について

    • idle
      そのまま。 無負荷の状態。 再起動後動作が落ち着いてCPUクロックが下がった状態。
    • Koto CPU miner
      仮想通貨のマイニングツール。 KotoはYescriptというGPUで計算しにくくするためスレッド当たりのメモリが大量に必要な計算を採用している。 そのため、スレッドで使用できるL3キャッシュが大きいほどスコアが上がりやすいという極端な処理となっている。 i7-8700KはHT搭載で6コア12スレッドだが、12スレッドで処理させるとスレッド当たりのL3キャッシュの割当量が減るので6スレッドで処理したほうがトータルのスコアが上がるというおもしろい結果が見れる。
    • CINEBENCH R15.038
      Yescriptだけでは変な特性しか取れないので、普通のベンチマークも取ってみる。

    測定結果

    デフォルト

    標準の状態です。Core i7-8700Kの素の性能になります。

    定格の3.7GHzってなんなんだろうと思うほどにターボブーストが効いています。6コア12スレッド全部使ってても4.3GHzで動作するんなら定格が4.3GHzなんじゃないのかと。

    Koto CPU minerの6スレッドが5.88kH/s出ていますが、これが省電力設定でどこまで落ちるかを見ていきたいと思います。

    条件 結果 速度 CPU使用率[%] 消費電力[W]
    Idle 0.80GHz 0 27
    Koto CPU miner 12スレッド 0.43 x 12 = 5.16 kH/s 4.29GHz 100 133
    Koto CPU miner 6スレッド 0.98 x 6 = 5.88 kH/s 4.29GHz 58 128
    CINEBENCH R15.038 OenGL 61.52 fps 87
    CINEBENCH R15.038 CPU 12 スレッド 1411 cb 4.29GHz 100 133
    CINEBENCH R15.038 CPU 6 スレッド 1083 cb 4.29GHz 58 120
    CINEBENCH R15.038 CPU 1 スレッド 193 cb 4.66GHz 11 63

    ターボブースト:無効

    ターボブーストを無効にすると、当たり前だが3.7GHzで駆動するようになった。

    クロックが上がらない分、消費電力も抑えられているようだ。 ここまではあたりまえの動作だろう。

    条件 結果 速度 CPU使用率[%] 消費電力[W]
    Idle 0 0.80GHz 0 27
    Koto CPU miner 12スレッド 0.42 x 12 = 5.04 kH/s 3.68GHz 100 98
    Koto CPU miner 6スレッド 0.84 x 6 = 5.04 kH/s 3.68GHz 50 89
    CINEBENCH R15.038 OenGL 64.53 fps 73
    CINEBENCH R15.038 CPU 12 スレッド 1229 cb 3.68GHz 100 93
    CINEBENCH R15.038 CPU 6 スレッド 943 cb 3.68GHz 50 86
    CINEBENCH R15.038 CPU 1 スレッド 161 cb 3.68GHz 9 44

    消費電力65W

    ここからが本番。消費電力の設定を下げてみた。95から65で30W下げた。

    設定値で変えた30Wきっちり下がっているわけではないが、最高電力が133W→125Wと20W近く下がっている。 6スレッドや12スレッド動かしているときの動作クロックが低くなっている。 BIOS設定を変えることで、動作クロックに制限がかかる形で消費電力が下がっているようだ。

    条件 結果 速度 CPU使用率[%] 消費電力[W]
    Idle 0.78GHz 0 27
    Koto CPU miner 12スレッド 0.43 x 12 = 5.16 kH/s 4.00GHz 100 115
    Koto CPU miner 6スレッド 0.94 x 6 = 5.64 kH/s 4.09GHz 56 111
    CINEBENCH R15.038 OenGL 61.58 fps 90
    CINEBENCH R15.038 CPU 12 スレッド 1329 cb 4.00GHz 100 111
    CINEBENCH R15.038 CPU 6 スレッド 1070 cb 4.29GHz 57 111
    CINEBENCH R15.038 CPU 1 スレッド 192 cb 4.66GHz 11 60

    消費電力35W

    おもいきって35Wまで下げてみた。定格の95Wから設定値で60Wの下げになる。

    全体的に動作クロックが下がり、性能の消費電力が下がっている。 1スレッドの場合を除いて定格の3.7GHzよりもさらに低くなっている。 動作クロックが下がるだけでは消費電力が下がりきらなかったのか、12スレッドの処理を実施してもCPU使用率が100%にならなくなっている。

    1スレッドの場合は、動作しているコアが少ないことで消費電力が下がるためか、その分ターボブーストが効いて動作クロックが上がっている。 それでも6スレッドの場合より消費電力が低いので、2スレッドでも6スレッドより高いクロックで動作するのかもしれない。

    条件 結果 速度 CPU使用率[%] 消費電力[W]
    Idle 0.78GHz 0 27
    Koto CPU miner 12スレッド 0.37 x 12 = 4.44 kH/s 3.05GHz 83 80
    Koto CPU miner 6スレッド 0.76 x 6 = 4.56 kH/s 3.29GHz 45 76
    CINEBENCH R15.038 OenGL 64.86 fps 79
    CINEBENCH R15.038 CPU 12 スレッド 1032 cb 3.08GHz 83 75
    CINEBENCH R15.038 CPU 6 スレッド 842 cb 3.29GHz 45 74
    CINEBENCH R15.038 CPU 1 スレッド 190 cb 4.65GHz 11 58

    消費電力35W, ターボブースト:無効

    35Wの設定でさらにターボブーストを無効にしてみた。

    1スレッドのときの動作クロックが定格まで下がった以外はターボブースト有効の場合と変わらないようだ。

    条件 結果 速度 CPU使用率[%] 消費電力[W]
    Idle 0.78GHz 0 27
    Koto CPU miner 12スレッド 0.37 x 12 = 4.44 kH/s 3.05GHz 83 80
    Koto CPU miner 6スレッド 0.76 x 6 = 4.56 kH/s 3.29GHz 45 76
    CINEBENCH R15.038 OenGL 64.41fps 79
    CINEBENCH R15.038 CPU 12 スレッド 1030 cb 3.08GHz 83 75
    CINEBENCH R15.038 CPU 6 スレッド 845 cb 3.30GHz 45 74
    CINEBENCH R15.038 CPU 1 スレッド 162 cb 3.68GHz 9 44

    消費電力10W

    どうせなので、極端なパターンとして10Wの設定も試してみた。

    動作クロックが下がるので性能もぐんと下がっているが、その分ちゃんと消費電力も下がっている。

    条件 結果 速度 CPU使用率[%] 消費電力[W]
    Idle 0.78GHz 0 27
    Koto CPU miner 12スレッド 0.16 x 12 = 1.92 kH/s 1.24GHz 34 45
    Koto CPU miner 6スレッド 0.34 x 6 = 2.04 kH/s 1.47GHz 20 43
    CINEBENCH R15.038 CPU 12 スレッド 37.46 fps 42
    CINEBENCH R15.038 CPU 12 スレッド 427 cb 1.30GHz 35 41
    CINEBENCH R15.038 CPU 6 スレッド 384 cb 1.48GHz 20 41
    CINEBENCH R15.038 CPU 1 スレッド 138 cb 3.20GHz 8 41

    まとめ

    今回使用したマザーボードZ370M D3Hでは、BIOS設定で消費電力を指定するだけで、それなりに動作クロックやCPU使用率を落として消費電力が下がることが分かった。 ベンチマークやCPU minerで負荷をかけたくらいでは不安定な動作もしなかった。

    この設定項目ではidel状態の消費電力は変わらなかった。他の項目を設定することで変えられるのだろうか。

    そもそも「35WくらいのCPUで組んでみようか。」→「Coffe Lakeは65Wと95Wしかないのかよ!」→「65Wのi5-8400は品切れだよ!」→「しかたないのでi7-8700K」だったので、しばらく35Wの設定で常用してみようと思う。それでも十分に高性能だ。

    今回試したのはオーバークロックではなくダウンクロックなので、CPUの個体差で動作しないとかいうことにはなりにくいのではないかと思う。同じような構成で無駄な消費電力に困っている方がいたら参考になれば幸いだ。

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コメント(3)

当然なのですがターボブーストが想像以上に消費電力行きますね 簡単な作業なら、ターボブーストオフが良さそうですね 凄く参考になって助かりました
興味深い実験、ありがとうございます。10Wまで下げる発想は無かったwそれでも動くなんてすごいですね。なんか色々と遊べそうな気がしてきました。
オフセットとかで少し電圧下げてみると、低消費電力でもっと回るようになるかもしれませんね(安定性は下がりそうですが) 非常に興味深いです

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このブログ記事について

このページは、鋼のインフラ担当が2018年1月17日 12:50に書いたブログ記事です。

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